2015年2月26日
無料で使用できる『日本語文章校正ツール』は本当に"使える"のか。その驚くべき結果とは!?

ササッとブログフォームに文章を入力し、クリックひとつでインターネット上に掲載!
記事をアップする操作が便利になったからこそ徹底していただきたいのが、掲載前に文章校正を行うこと。
「校正の知識がないからムリ」という人でも心配はいりません。PCだけでなく、iPhoneやスマートフォンでも利用できる、Webの校正ツールを使えば誰でも簡単にチェックが可能です。
Web校正ツールは、文章を入力し、クリックひとつで言葉の間違い、誤字脱字、不適切な表現を指摘し、正しい表現を示してくれるという優れもの。今回は、人気の校正ツールを実際に使用し、特に機能面で優れていた『日本語文章校正ツール』https://www.japaneseproofreader.com/ をご紹介します。「具体的な校正機能とその精度」も解説していますので、使用感も伝わるはずです。ぜひ、参考になさってください。
【日本語文章校正ツールとは?】
日本語文章校正ツールは、Yahoo! JAPAN 校正支援Webサービスを利用してテキストを解析する、無償のWeb校正ツールです。インターネットに接続している環境で、校正したい文章を指定箇所に貼り付け、チェックボタンをクリックするだけ。最大1万文字までチェック可能ですが、4千文字未満を推奨しています。
【チェックの項目は?】
サイト内において、「凡例と修正のガイドライン」が定められており、誤字脱字などの基本的な表記ミスや品質チェック基準の詳細が確認できます。
詳細は、以下の通りです。
*~*~*~*~*~*~*~*~*~~*~*~
≪レベル1(基本)≫
*誤字・誤変換
人事異同 ⇒ 人事異動
*言葉の誤用
的を得る ⇒ 的を射る
*禁忌・不快語
〇〇女史 ⇒ 〇〇さん
やばい ⇒ まずい
*外国地名表記の間違い
モルジブ ⇒ モルディブ
*固有名詞表記の間違い
キャノン ⇒ キヤノン
*人名表記の間違い
ベートーヴェン ⇒ ベートーベン
*登録商標など不用意に使うべきでない用語
セロテープ ⇒ セロハンテープ
*ら抜き言葉
食べれます ⇒ 食べられます
*機種依存文字
① ⇒ 1
≪レベル2(難読)≫
*仮名表記が望ましい当て字
上手く ⇒ うまく
*常用漢字表外の漢字
遙かに ⇒ はるかに
*略語
消団連 ⇒ 全国消費者団体連絡会(消団連)
or 消団連(全国消費者団体連絡会)
*一般的にはより平易な表記が望ましい言葉
Web ⇒ ウェブ
曖昧 ⇒ あいまい
≪レベル3(品質)≫
*二重否定
~できないでもないです ⇒ ~できます
*助詞不足
学校行く ⇒ 学校に行く
*冗長表現
財産にすることができます ⇒ 財産になります
<引用元>https://www.japaneseproofreader.com/hanrei.html
*~*~*~*~*~*~*~*~*~~*~*~
【校正ツールでテストを実施】
ガイドラインを参考に、あえてさまざまなミスを入れたサンプル文章を作成、テストを実施しました。
校正基準は、全てにチェックを入れた状態とし、ツールが持つ最大限の校正力を試しています。
≪入力文章≫
≪実際の画面≫
【校正ツールのテスト結果】
結果は下記の通り、全部で9ヶ所のミスが指摘されましたが、全てのミスをチェックすることはできませんでした。
≪ツール校正結果画面1 ≫
≪ツール校正結果画面2 ≫
【テスト結果を分析】
ガイドラインで設定された項目は、一部を除き、指摘される結果となりましたが、中にはチェックできなかったものも存在します。
そこで、ツールでチェックできなかった箇所15ヶ所を整理してみました。
★青のライン ⇒ ツールの校正結果でミスと指摘された部分。
★黄色のライン ⇒ ツールの校正結果でミスと指摘されたが、
修正の必要がないと思われる箇所
★赤のライン ⇒ 人の目でチェックし、上記以外でミスと判断できる部分。
≪ツールでチェックできなかった内容≫
*小書きの仮名が望ましい文字
インターネツト ⇒ インターネット
*カタカナ続きの場合の格助詞の挿入
ブログアップ ⇒ ブログをアップ
*「い」抜き言葉
増えてますが ⇒ 増えていますが
*パソコンによる変換ミス
返還 ⇒ 変換
応え ⇒ 答え
以来 ⇒ 依頼
構成 ⇒ 校正
*「ず」と「づ」の使いわけ
ずいて ⇒ きづいて
*動詞の語幹と名詞の区別
間違え ⇒ 間違い
*カタカナ表記にするべき言葉
ゆーざー ⇒ ユーザー
*ひらがなが続くと、「禁忌・不快語」が判断できない
(ガイドラインではチェック可能となっている)
やばい ⇒ まずい
*「ら抜き言葉」 (ガイドラインではチェック可能となっている)
見れなく ⇒ 見られなく
*不自然な言い回し
~ようにすることができるでしょう ⇒ ~ことができるでしょう
~します場合 ⇒ ~する場合
~があるのでしょう ⇒ ~があるでしょう
【参考:その他の校正ツールでのテスト結果】
もうひとつ、人気の高い校正ツールにEnnoがあります。こちらにも同様の文章を入力してチェックしてみたところ、以下のような校正結果になりました。
今回のサンプル文章に関しては、チェックできた箇所は3ヶ所のみ。
『日本語文章校正ツール』の性能には、及ばなかったようです。
しかし、日本語文章校正ツールが発見できなかった箇所を1ヶ所発見する、という面白い結果となりました。( ゆーざー ⇒ ユーザー)
★Enno
http://enno.jp/
≪画面≫
【まとめ】
ミスのない文章を作成し、読みやすさなどの見直しも行ったから大丈夫!と思ったとしても、人によるチェックでは、気づかない思い込みやうっかりミスによる間違いは起こりがちです。どうしても個人の能力に左右される部分があるので、ミス0を目指すには、複数の目によるチェックや、時間が必要となるでしょう。
一方、ツールの場合は、機械的にチェックするので、あらかじめカスタマイズされた設定に関しては、おおかたのミスをピックアップしてくれます。その点は、ある程度安心できますが、人の目でなければ発見できないグレーゾーンが多く存在するのも事実ですね。それぞれにメリット・デメリットがあるといえるでしょう。
上記を踏まえ、記事校正は効果的に行うことが望まれますが、今回ご紹介したWeb校正ツールを、時間がないときの最終チェックとして利用すれば、最低限の恥ずかしいミスだけは防ぐことができそうです。また、人による見直しと、この校正ツール(できれば複数)を組み合わせて活用すれば、より完璧を求めることも可能ですね。使う側が、時と場合に応じて臨機応変に使い分けることができれば、そのメリットを最大限に活かすことができるのではないでしょうか。
- Permalink
- by 佐藤司
- at 15:54
- Trackbacks (0)